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2019年05月29日

弱視って?

ブログ 弱視

近視というと何となく「近くは見えるけど、遠くが見えない(ぼやける)」という
イメージを持っている方が多いと思いますが、「弱視」というと頭の中が「?」に
なる方が圧倒的に多いと思います。

文字通り読むと「視力が弱い」ですが、それってどういうことなのか、やっぱり
「???」ですよね。
実際に「眼科で弱視と言われたけど、詳しく説明してくれなくて、・・・」という
ご相談も頂いたりします。

そこで、今回は弱視について説明したいと思います。

弱視には2種類の使われ方があります。
一つは社会的な意味(教育の場や社会生活の場で使う場合)で、原因に関わらず
「両眼の矯正視力が0.04以上0.3未満」の状態であることをいいます。
もう一つは眼科医などが使う病名としての弱視です。通常お子さんで弱視といわれ
るのはこのタイプです。詳しく説明していきましょう。

このタイプの弱視は何らかの原因で子どもの視力の発達が妨げられた結果、メガネ
などで矯正しても視力が十分に出ない状態の眼のことを指します。

例えば裸眼視力が0.02でも矯正視力が1.0あれば正常で、この場合はただの強度
近視ということになります。

もちろん強度近視自体は病気ではありませんが、強度近視が原因となる眼の病気も
少なくないので病気になるリスクが高いということは自覚した方が良いでしょう。

人は生まれてきたときは遠視で、成長するにつれて正視に近づいていきます。3歳に
なると2/3の子どもが1.0の視力を獲得します。そして概ね6歳(遅い子どもでも
7、8歳くらい)になると眼の機能は完成します。

視力は「物を見る」ことで発達します。見ることが視神経や脳に刺激を与え発達させ
るのです。親があまり意識しなくても、日々の生活や遊びの中で眼を使うことによっ
て発達するわけです。

しかし、良く見えない状態が長く続くと適切な刺激が届かなくなり、視力の発達が
妨げられてしまいます。

眼はよくカメラに例えられますが、脳まで含めると放送局のテレビカメラの方が適切
かもしれません。
眼=テレビカメラ、視覚路=ケーブル、脳=編集室 という具合です。

物を見るとき、眼で見ていると思っていますよね。でも実際には網膜に映った像が
電気信号として視神経に伝わり、それが視覚路を通って脳に伝わり、脳が映像を理解
するわけです。

眼は脳の出先機関のようなもので、実際には脳が見ていると言えます。弱視の場合も
眼の機能としては異常がなく、脳の機能障害と言われています。良く見えない状態が
脳の機能に影響するのですね。

この弱視の原因には(1)斜視、(2)屈折異常、(3)病気 などがあります。

(1)斜視とは片方の眼の向きがずれている状態のことです。
この場合、脳は正常な眼の映像を優先し、視線がずれている方の眼の映像を無視する
ことを学習してしまいます。そうすると、視線がずれている方の眼は視力が発達せず、
弱視になってしまうのです。
この場合の治療は正常な眼をアイパッチで覆うなどして、弱視の眼の方をたくさん
使わせることです。治療といっても眼を使うことしかないからです。

(2)屈折異常が原因となる場合は、一般的には強度の遠視を指します。
乳幼児期の子どもはお絵かきや積み木、折り紙など手元を見て遊びます。軽い遠視は
問題なく近くでもピントが合うのですが、あまりに強力な遠視だと水晶体の調節力だけ
では近くにピントが合わず、「ピンぼけ」になってしまうのです。
希に強度の近視で焦点距離が手元より近い為に「ピンぼけ」になることもあります。
「ピンぼけ」状態が続くとやはり視力が発達しません。この場合の治療はメガネを
かけてピント調節することです。

(3)病気が原因というのは先天性白内障(水晶体が濁って、白くぼやっと見える)や、
眼瞼下垂(まぶたが垂れ下がる)などで、視界が遮断されたりぼやけた状態になること
です。
この場合の治療はとにかく原因となる病気を治療し、良く見える状態にすることです。

他にも乳幼児期に無闇に眼帯で眼を覆ったりすると弱視の原因となるので気を付けま
しょう。

弱視の治療は視力が完成する前に行わないと意味がありません、一般的には6歳くらい、
遅くても7、8歳までということです。
当センターでは10歳で視力が大きく伸びた弱視の会員様もいらっしゃいますが、稀な
ケースと考えた方が良いです。

弱視の治療用メガネの保険適用が9歳未満ということを考えると、治療の効果が期待
できるのはこの辺りが限界と言えるでしょう。但し、治療年齢が高くなればなるほど
効果は小さくなります。

つまり弱視は早期発見・早期治療がとても重要なのです。
その意味でも3歳児検診はとても重要なのです。

弱視と診断されたら焦って下さいね。
弱視は近視と違って、「メガネやコンタクトで矯正」はできないんですよ!
お医者様に詳しく説明してもらって下さいね!
アイ・トレーニング視快研 大和センター

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